意外とよく質問をいただくのが金の話です。

「臨床心理士になりたいけど食っていけるのか?」

「非常勤の仕事しかないと聞いて不安」

こんな質問を受ける機会が本当に多いです。これから初の公認心理師も誕生します。それに合わせて法律も変わっていくので、この先どうなるかはわかりませんが、ここまでの臨床心理士の待遇を見ていきましょう。

限られた正規職員

「非常勤職員が多い」という質問には、現時点では「そうです」と言わざるを得ません。求人サイトで「臨床心理士」と入力して検索してみてください。7割くらい非常勤での募集なのではないでしょうか。時給もそこまで高いというわけではありません。

だけれども、正規職員の枠が全くないというわけではありません。現在は学校でも常勤カウンセラーを配置しようという動きが出てきていますので、先進的な学校などは常勤カウンセラーの道もかなり開けてきています。公務員の心理職採用は毎年必ず出ていますし、東京特別区に関しては40歳まで受けることができるという寛容さです。福祉施設も心理担当職員を置くことが多いので、募集は少なくありません。最近ではEAPもかなり普及してきていますので、産業領域の心理士として働いている方もいます。

ただ、どれもなかなか厳しい競争であることは否めません。

「心理職として正規職員としてやっていく」と決めたならばそれなりの競争があることは間違いありません。

逆をいうならば「非常勤でもよい」ということならば、かなり割のいい仕事も沢山あります。給与に関しては領域によってかなり違うので別々に見ていくことにしましょう。

教育領域

東京都の話が中心になってしまいます。

教育領域で働く心理士で圧倒的に多いのが「教育相談センター+スクールカウンセラー」です。教育相談センターはなぜか週4回勤務がデフォルトです。給与も週4で25万~27万と悪くはありません。ただし、昇給もボーナスもないのが普通ですので、それだけだと年300万~324万くらいにしかなりません。ちょっとギリギリの水準です。なので、教相で働く人は都のスクールカウンセラーにも応募します。週4回の教相と週1回のSC(スクールカウンセラー)という組み合わせです。人によっては週2回SCを入れる人もいます。SCの時給は5500円という超破格なので、週1でも月に17万円ほどになります。ただし年に30日程度という制限がありますので、年収で考えると132万円です。合わせて年432万~456万くらいの収入になります。教育分野は休みもそこそこあるので、働きやすい環境ではあります。ただ、あくまでも非常勤なので病気をしたら契約が打ち切られる可能性がありますし、そうでなくてもいつ雇止めになるかわからない環境です。

一方で、学校の常勤カウンセラーの道もあります。学校での待遇は、非常勤講師、常勤講師、専任講師というカテゴリになっています。平たく言ってしまうと順番に、バイト、契約社員、正社員です。いくらスクールカウンセラーが常勤待遇になったからといっても、専任の枠で採用しているところはほぼありません。多くが非常勤で、運が良ければ常勤講師です。公立はほぼすべて非常勤で、給与に関しては上述したとおりになります。稀ですが常勤で置いている公立学校もあります。

常勤の場合は、学校にもよりますが年400万~600万の間くらいでしょう。また契約社員ですので、当然更新されなかったらそこでおしまいです。

岩国の場合は専任カウンセラーとして働いています。その場合給与は教員と同じになるので400万~700万ほどです。正社員なので無期雇用というメリットもあります。

ただ、常勤や専任になると、いわゆるスクールカウンセラーとは動きが異なってきます。分掌も任せられますし、場合によっては部活の顧問なども引き受けなくてはなりません。外部性の問題もあり、かなり繊細かつ大胆な動き方を要求されます。これについては別の機会に書きたいと思います。

専任や常勤で働くうえでもう一つメリットになるのが休みの多さです。教育相談センターだと夏休みだろうが冬休みだろうが利用者は来ますが、学校は来ません。非常勤でもないので、仕事があろうとなかろうと給料は変わりません。つまり夏冬春にまとまった休みが取れることは強みの一つでしょう。(有休消化のところもありますが……)

以上が教育領域です。

ほかの分野についても書こうと思ったのですが、非常勤でしか働いたことがないのであまり適当に書けないかと思いました。

そこでお願いがあります。匿名でも構いません。私はこんな待遇で働いているよ!!というのをオープンにしても良い心理士さんはメールでもツイッターでも構いませんので是非教えてください!このHPで公開して「心理職になりたい」と思う人の役に立てばと思っております。