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それではさっそく事例を見ていきましょう。

午前 問63

*赤色の選択肢が正答です。

13 歳の男子 A、 中学生。中学校のスクールカウンセラーから紹介されて B 大学の心理相談室を訪れた。スクールカウンセラーからの依頼状では、クラスでの対人関係の困難と学習面での問題について対処するために心理検査を実施してほしいという内容であった。ところが、Aは検査のために来たつもりはなく、「勉強が難し過ぎる」、「クラスメイトが仲間に入れてくれない」、「秘密にしてくれるなら話したいことがある」と語った。援助を開始するにあたって、インフォームド・コンセントの観点から最も適切な方針をつ選べ。

1、保護者からの合意を得た上で適切な心理検査を実施する。

2、いじめが疑われるため、A には伝えず保護者や教員と連絡をとる。

3、「ここでのお話は絶対に他の人には話さない」と伝えて話を聴いていく。

4、 スクールカウンセラーから依頼された検査が問題解決に役立つだろうと伝えた上で、まずは A が話したいことを聴いていく。

5、スクールカウンセラーから依頼された検査をするか、自分が話したいことを相談するか、どちらが良いかを A に選んでもらう。

引用:公認心理師試験 午前問題

考察

岩国が間違えた問題です。注意して考察を読んでください。

大学付属の心理師であり、学校のSCから査定の依頼をされたケースですね。実は、岩国自身このようなリファーはしょっちゅうやっています。だからこそ、間違えてしまって恥ずかしい。

今回は、外部機関から検査をオーダーされている場面ですね。基本的にはSCの持っているケースです。本来は、クライアント自身も検査を取りに来ていることを自覚して、淡々とテストをとって所見を書いてフィードバックするというのが筋でしょう。事情は色々あるでしょうが、このまま大学の相談室で継続ケースになる可能性は低いといえます。だからこそ、SCを飛び越えてケースを進めるということはあまり望ましくないのかなと感じています。

2番と3番の選択肢はそれで除外できました。

ここからが、インフォームドコンセントの問題になってきます。やはり、本人にも検査を受けることを自覚してもらい検査が実施できた方が良いでしょう。というか、望んでないのにテストを取るというのは倫理的にまずいですね。13歳でカウンセリングの適応ケースであれば、言葉によるやり取りもしっかりできて、判断もできるということが想像できます。そのようなクライアントさんであれば、当然本人との合意の中で検査をした方が良いでしょう。無論、保護者の合意がなくても良いという意味ではありません。

以上から1番は除外しました。

ここまでは、すんなりと消去することができたのですが、迷ったのが4番と5番です。この場面の心理士に求められていることは、「合意を得て検査を実施する」ということだと思っていました。合意が得られない場合は当然検査を実施することができずSCに戻さなければなりません。なので、検査の有用性について説明し、検査を受けるのかどうなのかを選択してもらう必要があると感じたのです。選択肢5を提示した結果、検査を選択しないのであれば、一度SCとよく話してもらう必要がありそうです。そういう意味では一番5がしっくりくるかなという理由で5を選択しました。

しかし、実際の正答は4です。

検査の有用性についての説明をしっかりとした上で、クライアントの意思を尊重して話を聞いていくというのがベターなようですね。どちらにせよ、合意が取れない時点で無理に検査をするというのはいけないということでしょう。

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