今回は知能検査に関する時系列を問う問題でした。

知能というものがどのような流れで研究されてきたのかを理解していれば簡単な問題だったのではないでしょうか。答えは①です。自信あります。

心理学史を抑えるときはまず年齢から

前回、100年前に心理学の偉人は何歳だったかというのをやりました。これが思った以上に分かりやすく、時系列をつかむのには最適であると気が付かされました。今回も、知能検査にかかわる人の年齢を見て時系列をつかんでいきましょう。

1919年における心理学者の年齢

ゴルトン 97歳(1919年時点ですでに死亡)
クレペリン 63歳
ビネー 62歳
スピアマン 56歳
サーストン 32歳
ウェクスラー 23歳
ピアジェ 23歳
ギルフォード 22歳
キャッテル 14歳
スタンバーグ 生まれてない

知能は統計学の発展でもありますので、ゴルトンに端を発してスピアマン(二因子説)→サーストン(多因子説)→ギルフォード(構造モデル)→キャッテル(流動性知能と結晶性知能)というように概念が広がってきたことがわかります。今回問われているのは検査法なので、年齢からみてもビネー式→ウェクスラー式という発展をしてきたことがわかります。

ビネー式知能検査について

ただ、ビネー式に関しては少々事情が複雑です。我々がビネー式と言えばIQの算出を想像しますよね。しかし、ビネーとシモンが開発した最初の知能検査であるビネーーシモン式ではIQの算出はありません。そもそもIQというのはビネーが提唱した言葉ではないのです。

IQという言葉使ったのはシュテルンです。その後、スタンフォード大学のターマンという人がビネー式にIQの概念を取り入れて今日良く知られている田中ビネー知能検査の原型となったのです。

話は最初に戻りますが、ビネー式最初の検査でもある、ビネーーシモン式知能検査はどのような流れでできたのでしょうか。1900年代に、通常の教育から遅れてしまう児童の存在が話題になりました。そして「どのような子供が教育から遅れやすいのか」というのを明らかにするために開発されたのがビネーーシモン式知能検査だったのです。

以上のことからも本問の答えが①であることは明らかです。

他の選択肢はなぜ違うか

②のウェクスラーは年齢でも確認しましたが、ビネーよりもだいぶ後になってから活躍した人物です。つまり、最初に知能検査を開発した人物というわけではありません。③のクレペリンですが、時期的にはビネー式と同じ時期に作業曲線の概念について提唱しています。しかし、その作業曲線を検査にしたのは内田勇三郎です。クレペリンはどちらかと言えば早発性痴呆の概念で有名です。④のゴルトンは遺伝についての研究と統計学の基礎を築いた人物です。検査法とは直接関係ありません。⑤のピアジェは子供についての研究を積極的にした人物で、ここでは語りつくせないほどの業績があります。しかし、何か検査法を開発したわけではありません。