20世紀前半の心理学の3大潮流を問う問題でした。比較的簡単な問題だったと思います。

答えは②の精神分析学です。自信あります。

心理学史の流れを抑える

問題

問3 20 世紀前半の心理学の大潮流とは、ゲシュタルト心理学、行動
主義ともうつは何か、正しいものをつ選べ。

① 性格心理学
② 精神分析学
③ 認知心理学
④ 発達心理学
⑤ 人間性心理学

引用:心理研修センター

 

心理学史を俯瞰して抑えるには実際の年齢に直して計算してみるのが良いです。例えば100年前の1919年には心理学の名だたる偉人たちはいくつだったのでしょうか。計算したものが以下の通りになります。ずいぶん前にTwitterで見かけて物に手を加えて作り直しています。

ヴント:87歳
フロイト:63歳 
アドラー:49歳
森田正馬:44歳
ユング:43歳
ワトソン:41歳
ウェルトハイマー39歳
クライン:32歳
パールズ:25歳
アンナ・フロイト:23歳
ウィニコット:22歳
オールポート22歳
マーガレット・マーラー22歳
ロジャーズ:16歳
マズロー11歳

このように眺めてみると非常に面白いですね。やはり心理学の創始と言われるだけあり、ヴントが一番年長者です。そのあとに続くように色々な人の名前が出てきます。フロイト、ユング、アドラーあたりが年上であることを考えると精神分析はかなり早い段階で出てくることがわかります。その下に行動主義心理学のはしりであるワトソンが続きます。ゲシュタルト心理学で有名なウェルトハイマーもこのあたりですね。

この時点で心理学を学び始めたのは、アンナ・フロイトやウィニコット、オールポート、マーガレット・マーラーあたりです。性格心理学や発達心理学の発達はもう少し後の時代になりそうですね。

人間性心理学で有名なマズローやロジャースはこの時点ではまだまだ少年といってもいい年ごろでしょう。人間性心理学が発展してくるのはまだまだ後になってからのようです。

このような時代な系譜から見ても、20世紀初頭の三大心理学は行動主義心理学、ゲシュタルト心理学、精神分析学であることがわかります。

時代の流れから読み解く心理学史

ちゃんと流れを追っていくと、心理学はどのように発展していったのでしょう。この問題を解くにあたって、大切なことはコフカやケーラー、ウェルトハイマー、ワトソンは心理学者であったのに対してフロイトは医師です。前者がアカデミックな流れを強く受けながら発展してきたのに対し、精神分析学は臨床の中から生まれた知見と言えます。このあたりは現代の心理学論争の種になる系譜と言えます。ゲシュタルト心理学の系譜を受ける認知心理学や行動主義心理学の系譜を受ける行動療法等は、科学的に論証できることを重要視しています。精神分析学は臨床知とも言えますので、科学的(実験的)に論証できるかどうかというよりは、クライエントの個別性を重視しているといえるでしょう。

アカデミックな心理学の流れはやはりヴントに始まります。ヴントは構成主義心理学者ですので、「心」というものが元素のようにいくつかの要素に分解できると考えました。なので内観を用いて心の要素を探り出そうとしたのでした。これに反発したのがゲシュタルト心理学です。心はむしろ全体がメインで、要素は全体を構成する一部分でしかないということを言いました。

一方で、精神分析学は独自の発展を遂げます。当時、ヒステリーと呼ばれる病が流行っていました。このヒステリーは私たちが日常で使うような、「イライラしてパニックを起こしている様子」とは違い、気を失ってしまったりする今でいう解離症状に近いものでした。この治療にシャルコーという医師は催眠を使っていて、その様子を公開していました。これに感銘を受けたのがフロイトです。以後、シャルコーとともにヒステリーの研究を行い精神分析を唱えます。

ヴントもフロイトも「心」というよく分からないものをどのように扱おうかと試行錯誤した人々といっても良いかもしれません。そこに出てきたのが、「心」というよく分からないものを扱うのではなくて客観的に評価可能な行動だけを扱おうといったのが行動主義心理学です。

 

以上から、20世紀初頭の三大心理学は精神分析学、ゲシュタルト心理学、行動主義心理学になります。まあ教養として覚えてしまっても良いかもしれません。