第二回公認心理師試験が終わりましたね。問題を手に入れたので、ぼちぼち解説を初めて行こうかなと思います。

問題を見たい方も沢山いるとは思うのですが、一応心理研修センターが問題を発表するまでは伏せておきたいと思います。インターネットで発表され次第、解説にも問題を載せていこうと思います。

問1 公認心理師の業務や資格に関する問題

公認心理師の業務が何なのかを問われている問題でした。おそらく、公認心理師を受ける方は定義について暗記してしまう位に読み込まれていると思うので迷いも少なかったのではないでしょうか。問題の中ではかなり簡単な部類だと思います。最初に、公認心理師の定義について確認してみましょう。

答えは④です。これは自信あります。

公認心理師とは、公認心理師登録簿への登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいいます。

  1. (1)心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析
  2. (2)心理に関する支援を要する者に対する、その心理に関する相談及び助言、指導その他の援助
  3. (3)心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、指導その他の援助
  4. (4)心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供

引用:厚生労働省

まず、診断が公認心理師の業務に含まれるかということから考えていきましょう。定義を見てもざっくりとしか書いていませんし、「診断は心理師の業務じゃなかろう」ということは感覚的にはわかりますが、根拠をもって答えるとなると正直微妙なところです。例えば、見立ての中で当然診断名を意識するときはありますし、クライエントから「先生、私は〇〇障害ですよね」と求められてしどろもどろになった経験は誰もが一度はあるのではないでしょうか。そう考えると、診断名を意識し、クライアントに診断名を答えるという行為を行ってしまいそうになることはあるとも言えます。もちろん、これは極端に考えているのでそれが本来の意味から外れているということは分かっています。要するに、根拠をもって「診断」は心理師の専門性ではないということを言わなければなりません。

何が、根拠になりうるのか考えたところ、医師法が最も適当な根拠になるのではないかと考えました。医師法では「医業は医師以外行ってはいけない」となっています。つまり、「診断」が医業であれば心理師の専門性から明確に外れることになります。

医師法をあたってみても「診断が医業」とは書いてないのですよね。こういうのは大体裁判例などで「これは医業」とか「医業でない」というのが決まるのでしょう。それは当然法律を専門に勉強した人でないとわかりません。

ということで、実際に無料法律相談で質問してみました。

問診は、医業にあたりますね。 診断は、もちろん医業です。 看護師の資格ではだめですね。 ただし、特定の分野で試験に合格した看護師は、 その範囲では、医療行為が可能でしょう。 どこまで、専門化が進んでいるのかについては、 調べてないので僕も詳細を知りません。

引用:ココナラ法律相談

ということで、診断は医業です。以上から診断は心理師の業務に含まれません。

臨床心理士は5年に一度更新ですが、公認心理師資格に更新の規定はありません。これについては賛否両論ありますが、個人的にはお金かかるのでなくてもいいんじゃないかとは思っています。「専門性を高めるため勉強し続ける」というのは専門職として大前提みたいなものですので、そこは心理師の良心に任せてもいいんじゃないかなと感じています。

次は資質向上の責務について罰則規定があるかということですが、ありません。公認心理師法では罰則に関する規定を以下の通り定めています。

第五章 罰則

第四十六条 第四十一条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

第四十七条 第十六条第一項(第三十八条において準用する場合を含む。)の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

第四十八条 第二十二条第二項(第三十八条において準用する場合を含む。)の規定による試験事務又は登録事務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした指定試験機関又は指定登録機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

第四十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

 一 第三十二条第二項の規定により公認心理師の名称及びその名称中における心理師という文字の使用の停止を命ぜられた者で、当該停止を命ぜられた期間中に、公認心理師の名称を使用し、又はその名称中に心理師という文字を用いたもの

 二 第四十四条第一項又は第二項の規定に違反した者

第五十条 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした指定試験機関又は指定登録機関の役員又は職員は、二十万円以下の罰金に処する。

 一 第十七条(第三十八条において準用する場合を含む。)の規定に違反して帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかったとき

 二 第十九条(第三十八条において準用する場合を含む。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

三 第二十条第一項(第三十八条において準用する場合を含む。)の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。

四 第二十一条(第三十八条において準用する場合を含む。)の許可を受けないで試験事務又は登録事務の全部を廃止したとき。

このなかで、心理師に課せられる罰則は四六条だけです。これは、信用失墜行為ではなく秘密保持義務違反になります。登録取り消しなどの行政処分はこの限りではありませんが、司法処分はこれだけです。ついでに言うと親告罪です。

後の罰則は、試験を行う機関や無資格者に対しての罰則を規定しているものです。回答の5番もこれに関連しているものですね。公認心理師以外は「心理師」と名乗ってはいけません。罰則もあります(49条)。

定義を見ていただければわかる通り、公認心理師が業務を行う対象は心理に関する支援を要する人だけではなく、その関係者も含まれます。

 

よって答えは④になります。