事例

問題

14歳中学校2年生男性、A。中学校一年生の頃は、おとなしく目立たない生徒だった。友達はあまり多くなく一人で過ごすことが多かった。授業中ボーっとしていることが多く、ノートにはアニメのような絵がたくさん描かれていたようだ。

中学校2年の夏休みが終わると、眼帯をして登校してきた。目が痛いのかと思い、担任が「目どうしたんだ?」と聞くと「特に……」と言いつつ、授業中などには「ウッ……」といいながら目を抑えるようなしぐさを頻繁にする。

また、授業中や休み時間などに一人でブツブツとつぶやくことが多いようだ。クラスメイトからの情報では「ある機関に追われていて、この学校にも機関の人間がいて命を狙っている」「『神と呼ばれるもの』からの命令を受けて動いている」ということを言っているようである。

クラスメイトがAのことを茶化すと、Aは激怒しクラスメイトを殴った。これから生徒指導に入るのだが、奇行が目立つためこの先どのような方針を立てたらよいかと学年主任から相談があった。SCとして最も適切な対応を選べ。

選択

1、思春期の心性としてこのようなことはよくあることだと伝え、原則的な生徒指導をするよう提案する。

2、医療機関へのリファーが必要である可能性を伝え、SCが本人・保護者面談をすることを提案する。

3、思春期の心性として、理解できる範囲ではあるが生徒指導を行う前にSCが本人と面談を持ち彼の想いに寄り添う

4、いじめに関係する暴力なので、Aに一方的に指導するのではなく被害生徒も指導を行い、いじめについて明らかにする必要があると提案する。

5、思春期の心性として理解できるが、適切な行動ではない。生徒指導を行ったうえでSCがSSTを行い適切な行動を考える。

解答

「中二病」という言葉をネットではよく耳にします。

中二病(ちゅうにびょう)とは、中学2年生頃の思春期に見られる、背伸びしがちな言動を自虐する語。転じて、思春期にありがちな自己愛に満ちた空想や嗜好などを揶揄したネットスラング。「病」という表現を含むが、実際に治療の必要とされる医学的な意味での病気、または精神疾患とは無関係である。

引用:wikipedia

よく耳にするということは、それだけ頻繁にみられる現象ということでもあります。筆者自身もこのような空想をした経験はありますし、いろいろな思春期の方と話をしていて、そのように思うこともあります。

wikipediaでも挙げられているように、このような自己愛に満ちた空想は思春期の心性として十分に了解可能です。問題になってくるのは、このケースを「中二病」として考えてもよいかというところです。一見中二病のようでも、他の疾患や障害が疑われることはよくあります。そのあたりを丁寧にみていく必要はあるでしょう。

この文章からわかる彼の主張は二つです。簡単に言うと「他人から命を狙われている」「『神と呼ばれるもの』に命令されている」となります。「被害妄想」「作為体験」である可能性は十分に考えられます。統合失調症の症状として特徴的なものですので、医療機関へのリファーを視野に入れる必要があるでしょう。

以上から、単純な思春期心性として理解するよりは、医療的ケアが必要になってくる統合失調症を意識しながら方針を立てるのがよいでしょう。

この問題の解答は2を想定して作成しました。