事例

17歳高校2年生の女性A。放課後相談室に来室し、父親から性的な行為を強制されているという内容の相談をした。Aはまくしたてるように話をし、「もう死ぬしかない」とつぶやいていた。友人関係のトラブルも非常に多く、一年生の時から頻繁に相談室を利用してきた。2年生に上がってすぐの時も、「いじめにあっている」「仲の良かったBが私のことを無視する」といった訴えがあり学校による聞き取りが行われた。Bと仲が良かったが、Bが別のグループの友人とも親しくしており裏切られた気分になったということだった。相談を受けたスクールカウンセラーの対応として適切なものを選べ。

 

1、彼女の苦痛に寄り添うともに、枠をしっかりと意識しながら継続面談とする。

2、担任に報告するとともに、保護者面談を設定する。

3、管理職に児童相談所に通報する旨を伝える。学校が通報しないという選択をした場合はAを守るためにもSCが通報を行う。

4、担任および管理職に報告し、今後の対応について協議する。

5、相談された内容に加えて、彼女の1年時のエピソードや、家族関係も考慮しながら現在起こっていることへの見立てを行う。

解答

虐待が疑われるケースに関する事例です。

 

本人の口から虐待が行われていることが告白されています。しかし、BPDを疑えるようなエピソードもあり、虐待自体が事実でない可能性も考えられます。このような場合、どこまでの対応をすればよいのかという問題です。

 

虐待が語られた場合、それが本当なのかどうかということを考える必要はありません。虐待が「疑われる場合」の通告義務は国民すべてに課せられていますので、基本的には虐待を聞いた=即通報です。

 

「いやいや、現場じゃなかなかそういうわけにもいかないでしょ」と考える方も中にはいるかもしれません。これに関して私は否定的で、どんな理由があれ「虐待を聞いたら即通報」です。確かに躊躇するかもしれませんが、聞いてしまったら勇気を持ってください。

 

ここまでは、見通しが立った方も少なくはないでしょう。問題は「学校側に報告した結果、通報しない」という選択をとった場合です。私は経験したことがありませんが、そのようなケースは少なからずあるのではないかと思っています。この場合、学校が誤った判断をしていることになります。虐待が疑われる場合の通告義務は「国民」に課せられた義務ですので、一個人として通報することに何の問題もありません。

 

通報したことを学校に報告する必要もありません。匿名でも問題ないです。

 

この問題は3番を正答として想定しています。