カウンセリングやカウンセラーという言葉をよく耳にします。カウンセラーはカウンセリングを行う人という意味なので、難しいことはありません。カウンセリングという言葉はちょっと難しいです。街を見ていても「美容カウンセリング」や「スピリチュアルカウンセリング」など「カウンセリング」とついた言葉であふれています。臨床心理士や公認心理師の行うカウンセリングと「美容カウンセリング」や「スピリチュアルカウンセリング」は何が違うのでしょうか。そして心理士のカウンセリングでは具体的にどのようなことを行っているのでしょうか。

今回は、臨床心理士・公認心理師でもある岩国怜(@iwakunily)が説明していきたいと思います。

カウンセリングとはなにか?

そもそも、カウンセリングの語源は何なのかと調べてみれば、このような意味がありました。

 まずカウンセリング及びカウンセラーの定義を明確にしよう。「カウンセリング」は英語の”counsel”(相談・協議・勧めるなどの意)の派生語である。語源的に考えれば、「共に(co-)」何かをするというニュアンスが強い。基本的には、クライアントと一緒に話し合い、より良い道を探っていくプロセスを指すとされる。

引用:REALISER

非常にしっくりくる定義だなと感心させられます。一緒に話し合い、より良い道を探っていくという意味では美容カウンセリングや、スピリチュアルカウンセリングもカウンセリングなのです。別にカウンセリングが心理士の専売特許でも何でもないことがわかります。

ただ、心理士のやっているカウンセリングと美容カウンセリング等は当然異なるものです。我々の行っているカウンセリングは「心理」カウンセリングです。心理カウンセリングとはどういうもので、効果はあるのでしょうか?

「心理」カウンセリング

心理カウンセリングは心理学を学術的な裏付けとして、葛藤や悩み、思ったことや感じたことなどクライエントが話したいことすべてがテーマになるカウンセリングです。「心理学を学術的な裏付けとして」というのが結構大切だと感じています。

医学でも、宗教学でもなく、あくまでも心理学なのです。どこからどこまでが心理学かという悩みも多いですが、一通りの心理学を学習した人がその担い手になることが求められます。

ここからはもしかしたら批判もあるかもしれません。心理カウンセリングは何も臨床心理士・公認心理師の専売特許ではありません。心理学を学び、カウンセリングに関しての訓練を受けた人ならば心理カウンセリングはできると思います。そして、心理学を学び訓練を受けた人は何も臨床心理士・公認心理師だけというわけでもありません。

ただ、「学習をしたかどうか」「訓練を受けたかどうか」というのを見極めるのは難しいことです。臨床心理士・公認心理師であれば一定程度学習し訓練(もしくは実務経験)を受けた人であることが保証されています。そういう意味で、どのような人のカウンセリングを受けるか悩んだ時の参考になるでしょう。

心理カウンセリングは効果がない?

さて、それでは心理カウンセリングは効果があるのでしょうか?継続的に通わないといけないうえに、金額的に安くもないのでこのあたりを気にされる方は多いでしょう。まずは、「効果」ということがどういうことなのかを確認しておく必要になります。私見が強い項目にもなりますので、カウンセリングを受けようと思う方はいろいろな方の意見を聞いてみるのもよいと思います。

心理カウンセリングに来る人は何らかの動機があります。葛藤を抱えていたり、どうしても話したいことがあったり、その内容は様々です。この葛藤や悩みが解決することが「効果」なのでしょうか。来談した動機になる現象が解決するかどうかという意味では、解決する人もいるし、しない人もいるかもしれない、「わからない」としか言いようがないと思います。

例えば「〇〇大学に受からなくて妥協して××大学に行ったことを今でも後悔している。こうなってしまったのは、小さいときに親が教育にお金をかけなかったからだ。両親に土下座して謝ってもらうためにはどうすればよいのか」という悩みが相談されるかもしれません。

彼が求めているのは「両親に土下座をして謝ってもらうためにはどうすればよいか」という助言です。「これこれこうすれば、両親は土下座して謝ると思いますよ」なんてことは、心理士だってわかりません。

また、××大学に入った後悔とコンプレックスはカウンセリングを受けて解消するのかと言われれば、そうとも言い切れません。彼はコンプレックスを抱えたままこの先の人生を生きていくことになるかもしれません。

このように言うと、カウンセリングが無力なように感じてしまいますね。しかし、一つだけ言えるのは技量のあるカウンセラーのもとでカウンセリングを受けていけば、短期的には変化が見られなくとも、長期的には何らかの適応的変化が訪れるということです。

先ほどの例でいうならば、××大学に入ったコンプレックスも親への恨みも変わらないかもしれない。けれども、そのようなコンプレックスや恨みを持ちながらも自分の人生を前向きに生きられるようになるかもしれないのです。

この「何らかの適応的変化」を効果ととらえるならば、実力のあるカウンセラーの下で定期的に行っていけば効果はあると確信しています。

まとめ

様々なところで「カウンセリング」という言葉が使われます。今回は、心理士の行う「心理カウンセリング」について説明をしました。様々な考え方はあると思いますが、カウンセリングの効果についても考えてみました。実力のあるカウンセラーの下でカウンセリングを受けるならば短期的に見たら変化がなくとも、長期的にみれば適応的変化はみられるでしょう。これを気に、さらにカウンセリングに興味を持っていただければ幸いです。

岩国怜(@iwakunily)でした。