第二回 公認心理師試験に向けて

第二回公認心理師試験の試験委員が発表されました。
言わずもがなですが、試験問題は委員が作成します。つまり、委員全員の考えが100%理解できるのならば、全問正解だって夢ではないのです。

まあ、そんなことは無理なのですが……。

おそらく、全員分の著書を読むのも不可能ではないでしょうか。

第一回公認心理師試験の分析については、河合塾さんが出している分析速報が詳しいのでそちらをおさらいしていきましょう。

第一回の総括としては「予想以上に『心理学』の試験なので、法律などをやりすぎて心理学がおろそかになってはいけないよ」という大切なことが書かれています。それに乗っ取り、本ページでも心理学を大事にしながら考えていきたい。

まず、今回の試験委員の基礎的なデータを載せておきます。

試験委員と専門分野、著書

著書にはリンクを貼ってありますので、気になるものがあればクリックしてみてください。

 

名前 所属 職種 専門 著書
赤木 美智男 杏林大学医学部 医師 小児科学
小川 俊樹 放送大学? 心理学者 ロールシャッハ・心理検査 ・臨床心理学特論(放送大学 テキスト)
子どものロールシャッハ法-小川-俊樹
大久保 善朗 日本医科大学 医師 精神医学 生理機能検査学 (臨床検査学講座)
吉田 素文 国際医療福祉大学 医師 医学教育学 救急活動マネジメント実践トレーニング
―OSCEを取り入れた救急隊員臨床教育
飯田 順三 奈良県立医科大学 医師 小児? 発達障害 MR アスペルガー症候群 (高機能自閉症スペクトラム)の子どもたち
(子どものこころの発達を知るシリーズ)
子どもの精神病性障害 (子どもの心の診療シリーズ)
家近 早苗 大阪教育大学 教育学者 心理学者 特別支援教育 チーム学校での効果的な援助: 学校心理学の最前線
石垣 琢麿 東京大学 心理学者 臨床心理学 臨床精神医学 臨床心理学 (New Liberal Arts Selection)
伊藤 亜矢子 御茶ノ水大学 心理学者 スクールカウンセリング 子どもの心と学校臨床 第18号:特集 学校のアセスメント入門
伊野 美幸 聖マリアンナ医科大学 医師 精神神経医学 精神保健 (介護福祉士選書 (13))
今村 弥生 杏林大学医学部 医師 SST、精神科リハビリテーション 生きると向き合う わたしたちの自殺対策
岩壁  茂 御茶ノ水大学 心理学者 カウンセリング カウンセリングテクニック入門-プロカウンセラーの技法30
遠藤 利彦 東京大学 心理学者 発達心理学 感情心理学 アタッチメント―生涯にわたる絆
遠藤 由美 関西大学 心理学者 社会心理学 社会心理学―社会で生きる人のいとなみを探る (いちばんはじめに読む心理学の本)
大塚 泰正 筑波大学 心理学者 職場のメンタルヘルス 産業カウンセリング 公認心理師のための説明実践の心理学
大生 定義 横浜市立大学 医師 臨床疫学 すべての内科医が知っておきたい 神経疾患の診かた、考え方とその対応〜症状・疾患へのアプローチの基本から鑑別と治療、コンサルテーションまでわかる (ジェネラル診療シリーズ)
小塩 真司 早稲田大学 心理学者 パーソナリティ心理学 自己愛の心理学: 概念・測定・パーソナリティ・対人関係
鹿毛 雅治 慶應義塾大学 心理学者 動機付け論 モティベーションをまなぶ12の理論
風間 雅江  北翔大学 心理学者 臨床心理学(老年期?)
加藤  敬 社)大阪総合医学・教育研究会こども心身医療研究所 臨床心理士 心理療法 公認心理師標準テキスト 心理学的支援法
金井 篤子 名古屋大学 心理学者 職場のメンタルヘルス 産業・組織心理学: シリーズ心理学と仕事11
萱間 真美 聖路加国際大学 看護学者 看護学 リカバリー・退院支援・地域連携のための ストレングスモデル実践活用術
川邉  譲 駿河台大学 心理学者 非行犯罪臨床 把手のない扉―非行の声が聞こえますか?
北神 慎司 名古屋大学 心理学者 認知心理学、記憶と認知 基礎から学ぶ認知心理学 — 人間の認識の不思議 (有斐閣ストゥディア)
熊野 宏昭 早稲田大学 医師 マインドフルネスそしてACTへ 二十一世紀の自分探しプロジェクト
黒木 俊秀 九州大学 医師 精神医学 神田橋條治 医学部講義
齋木  潤 京都大学 心理学者 認知心理学 身心変容の科学~瞑想の科学――マインドフルネスの脳科学から、共鳴する身体知まで、瞑想を科学する試み―― (身心変容技法シリーズ1) 
佐藤 眞一 大阪大学 心理学者 臨床心理学(老年?) 認知症の人の心の中はどうなっているのか? (光文社新書)
沢宮 容子 筑波大学 心理学者 CBT 人を育む愛着と感情の力 AEDPによる感情変容の理論と実践
神野 尚三 九州大学 医師 神経解剖学 神経病理学
先崎  章 東京福祉大学 福祉学者 社会福祉学 精神医学・心理学的対応リハビリテーション
園田 菜摘 横浜国立大学 心理学者 教育心理学
高野  明 東京大学 心理学者 臨床心理学(学生相談)
高橋  登 大阪教育大学 心理学者 教育心理学 言語発達とその支援 (講座・臨床発達心理学) 
田崎 博一 弘前愛成会病院 医師 精神科看護? 看護診断にもとづく精神看護ケアプラン
堤  明純 北里大学 医師 職業性ストレス 職場のラインケア研修マニュアル(CD付き): 管理職によるメンタルヘルス対策
鳥居 深雪 神戸大学 心理学者 教育心理学 思春期から自立期の特別支援教育―「人間理解」のためのヒント集
中村 知靖 九州大学 心理学者 教育心理学 心理統計法への招待―統計をやさしく学び身近にするために (新心理学ライブラリ)
中村  真 宇都宮大学 心理学者 実験心理学 心理学概論 (公認心理師の基礎と実践) 第2巻
羽間 京子 千葉大 教育学者 思春期の臨床 少年非行―保護観察官の処遇現場から (サイコ・クリティーク)
橋本 和明 花園大学 心理学者 非行、虐待、発達障害 犯罪心理鑑定の技術
八田耕太郎 順天堂大学 医師 精神医学 せん妄の臨床指針 ‐せん妄の治療指針 第2版 (日本総合病院精神医学会治療指針 1)
日笠 摩子 大正大学 心理学者 フォーカシング、CPA セラピストのためのフォーカシング入門
福田 憲明 明星大学 心理学者 学校子供 子どもの心と学校臨床 第19号 特集 SCの「心理の支援」の現状
藤野  博 学芸大学 教育学者 特別支援教育 発達障害のある子の社会性とコミュニケーションの支援 (ハンディシリーズ―発達障害支援・特別支援教育ナビ)
増沢  高 子どもの虹情報研修センター 臨床心理士 子どもの臨床 ワークで学ぶ 子ども家庭支援の包括的アセスメント──要保護・要支援・社会的養護児童の適切な支援のために
松浦  真澄 東京理科大学 心理学者 ブリーフセラピー 教育と医学 2013年 11月号
宮田 靖志 愛知医科大学 医師 医学教育学 プライマリ・ケアの現場で役立つ一発診断100―一目で見ぬく診断の手がかり
村井潤一郎 文京学院大学 心理学者 社会心理学 第4巻 心理学研究法 ((公認心理師の基礎と実践))
米田  博 大阪医科大学 医師 精神神経科学 操作的診断vs従来診断―非定型精神病とうつ病をめぐって (専門医のための精神科臨床リュミエール)

 

傾向と対策

私の考えの大前提は、「事例をとれなきゃうからない」ということです。そもそも、全部の問題の傾向をつかむことなんて不可能です。もし傾向・対策を立てるのであれば、事例問題に絞るのが得策ではなかろうかはないかと思っています。そんな理由もあり、本サイトでは事例問題に特化して考察を深めていきます。

 

第一回の事例問題は総括を見ていただければわかる通り、教育・福祉分野に偏っていました。そして司法分野からの出題もなかったのも特徴でしたね。

 

今回の試験委員の面々の中には司法分野に精通されている方も多いので、おそらくは司法分野での出題は増やしてくるだろうと思っています。また、児童相談所の問題もいろいろ話題になっておりますので、相変わらず福祉分野でも出題率が高い傾向にあるのではないかと予測しています。前回司法分野から一題も出題しないという荒業をやってのけたので、今回もどれかが0%になる可能性は否定できません。私は、産業分野・私設相談室の出題率を下げてくるのではないかと感じています。

 

以上の委員の基礎データと出題傾向の予測を踏まえていくつか読んでおくべき本をピックアップしておきます。

 

まず、必ず読まなければならない本は以下の通りです。

 

公認心理師のための説明実践の心理学

公認心理師標準テキスト 心理学的支援法

心理学概論 (公認心理師の基礎と実践) 第2巻

第4巻 心理学研究法 ((公認心理師の基礎と実践))

 

なぜ必ず読んでおかなければならないかというと、この本たちは試験委員が著者に入っている公認心理師用のテキストだからです。この中の内容が問われる確率は高いのではないでしょうか。

 

次に読んでおきたい本は以下の通りです。

 

少年非行―保護観察官の処遇現場から (サイコ・クリティーク)

チーム学校での効果的な援助: 学校心理学の最前線

 

学校臨床系は第一回試験で非常に出題率が高かったので、学校心理学についておくことは必要でしょう。

また、前回事例で出題されなかった非行に関してもしっかりと押さえておきたいところです。

 

最後に余裕があれば読んでおきたい本を紹介しておきます。

 

操作的診断vs従来診断―非定型精神病とうつ病をめぐって (専門医のための精神科臨床リュミエール)

基礎から学ぶ認知心理学 — 人間の認識の不思議 (有斐閣ストゥディア)

臨床心理学 (New Liberal Arts Selection)

 

診断や認知心理学は、苦手な方も多いので復習しておいた方が良いでしょう。

臨床心理学の基礎を復習するならば臨床心理学 (New Liberal Arts Selection)が良いでしょう。

以上が、第二回公認心理師試験に向けての私の傾向予測です。

 

色々な本を紹介しましたが、大前提は心理学について、修士までの知識があることです。

ヒルガードに書かれてある内容はすべて理解できる(理解しているではありません)ことと、専門分野に関しては2時間話せるくらいの知識量は必要でしょう。