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午後 問151

20 歳の男性 A、大学生。A は大学のサークル内の友人関係におけるトラブルを経験した。その後、周囲の様々な物が不潔だと感じられるようになり、それらに触れた場合、馬鹿らしいと思っても何十分も手を洗わずにはいられなくなった。手を洗うことで一時的に不安は弱くなるが、手を洗うのをやめようとすると不安が強くなった。やがて、日常生活に支障を来すようになり、医師の紹介で相談室に訪れた。

A に対する行動療法として、最も適切なものをつ選べ。

1、 Aの不安が一時的ではなく完全に消失するまで手洗い行動を続けさせる。
2、触った後で手を洗いたくなるような不潔な物をAに回避させることで、不安を弱くさせる。
3、手を洗った後で、本当に手がきれいになったかどうかを家族に確認してもらい、手洗い行動を減らしていく。
4、不潔だと感じる物に意図的に触れさせ、手洗い行動をしないように指示し、時間の経過とともに不安が弱まっていくことを確認させる。

引用:公認心理師試験 午後問題

考察

暴露反応妨害法に関する問題ですね。知っていれば4を即答できたと思います。知らなくとも、強迫性障害に関して知識があれば消去法で選択できます。

強迫性障害は強迫観念と強迫行動から構成されます。「強迫」とは「強」く「迫」るという文字通り、振り払っても「それをせずにはいられない」「それを考えずにはいられない」という状態です。それがばからしいと思っていても、「強」く「迫」ってきます。強迫観念とは、強く迫ってくる想いです。例えば「自分の手は汚れてしまっている」という考えです。これは振り払っても振り払ってもやってきます。この強迫観念に基づいて「手を洗わなければならない」という強迫行動が現れます。

手を洗うことで一時的に不安は去っていきますが、時間がたつとまた不安が現れ、再度強迫行動を行います。強迫行動に多くの時間を割くようになりやがて日常生活に支障が出てきます。

また、強迫性障害には巻き込み型と呼ばれるものもあり、自らの強迫行動に他者を巻き込んでいきます。手洗いの場合であれば他人に本当にきれいになったかどうか確認してもらう等があります。巻き込みはあまりポジティブな効果はありませんので、やめていく方向で治療方針を立てていきます。

以上から1,2,3が不適であることがわかり、4が正解となります。

私は、暴露反応妨害法を実際に行ったことはありませんが、医療機関などで働く場合はこのような心理療法を行う機会もあるでしょう。実習の時に1年ほど病院にいましたが、その時に精神科の先生が手を洗っている患者さんに「もうその辺でやめときな」と声をかけていたのが非常に印象に残っています。その光景から「強迫行動は止める方向で声掛けをするんだなぁ」という印象を持ったのを今でも覚えています。

ただ、公認心理師になるにあたって暴露反応妨害法は知っておきたいですね。できれば消去法でなく正解を求められたら良い問題だったと思います。

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