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午後 問147

11 歳の女児 A、小学5年生。A は複数のクラスメイトから悪口やからかいなどを頻繁に受けていた。ある日、スクールカウンセラー Bは、A から「今のクラスにいるのがつらい」と相談を受けたが、「誰にも言わないでほしい」と強く頼まれた。
B の対応として、最も適切なものをつ選べ。

1、職員会議で全教職員に詳細に報告する。
2、A との関係を重視して、B のみで対応を継続する。
3、A の同意が得られるまで、管理職(校長など)への報告を控える。
4、学級内で起きていることであり、担任教師に伝え対応を一任する。
5、A の心情も含めて、校内のいじめ対策のための委員会に報告する。

引用:公認心理師試験 午後問題

考察

「誰にも言わないでほしい」で始まる相談は、しばしばありますね。ツイッターなどでこの話題で話したことがありますが、少なくない新人SCが「誰にも言わないでね」問題で悩んでいることがわかりました。それに対する答えというわけではありませんが、この問題に関して私がどのように考えているかは記述しておきたいと思います。

まず考えておくことは、「本当に誰にも言わないのか?」ということです。これに対する答えは「必要がなければ言わないが、必要があれば共有することになる」ということだと思います。このことについてはしっかりと伝えておいた方が良いと感じています。「多くのことはあなたの許可なく誰かに話したりすることはありません、でも他の生徒の学校生活に重大に影響することや、あなたの学校生活に重大に影響することは他の先生と相談することがあります。ただ、その場合もあなたの「誰にも話してほしくない」という気持ちはとても尊重するし、そのようなことになったらあなたともできるだけ話し合って、納得したうえでほかの先生と相談したいと思っています」というようなことを説明します。

「誰にも言わないでね」と言われなかった場合でも、「この話、担任に話すのは嫌?」と聞くようにしています。たいていは「別にいいよ」となりますが、たまに「担任はちょっと無理」となる場合はあります。その場合は主任や校長などの名前を挙げて許可を求めます。どうしても許可が得られない場合は、話す必要のないことであれば「話を聴いた」という事実のみ報告し、学年や担任に報告しなければならない事項が含まれている場合はマル秘で報告し、当面の窓口に私がなります。

問題になるのは児相通告相当のパターンです。一時保護などが視野に入ってきて、なおかつ保護の経験がある子だと大きな抵抗を示します。保護者からの反発も予想されるため、かなり大変なケースです。「誰にも言わないでね」といって語られた内容が、保護を必要とするものだった場合は覚悟を決めなければならないでしょう。「カウンセラーって秘密を守るんだろ!だから話したのに!」という悲痛な叫びを受けながら「これはあなたの命を守るうえでも必要な措置なので管理職と相談させてください」と言い切らねばなりません。ただ、一概にこのような対応でいいのかというとそういうわけでもありません。性的虐待などが疑われる場合は、情報共有の幅を最小限にとどめなくてはいけません。場合によっては管理職に内容を伝えず通告する旨のみを共有して、SCから直接通報することもあり得ます。
どちらにせよ、児相通告相当のパターンはこちら側にも覚悟と判断が求められます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。ツイッター(@iwakunily)でもブログでも感想やご意見を聞かせていただければと思います。