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午後 問146

9歳の男児 A、小学3年生。A の学級はクラス替えがあり担任教師も替わった。5月になると A が授業中に立ち歩くようになり、それを注意する児童と小競り合いが頻発するようになった。クラス全体に私語がみられ、教室内で勝手な行動をして授業に集中できていない児童も多くなってきた。やがて、担任教師の指導に従わず授業が成立しないなど、集団教育という学校の機能が成立しない状態になってきた。担任教師によるこれまでの方法では問題解決ができない状態に至っていると管理職は判断している。

このときの学校の取組として、最も適切なものをつ選べ。
1、担任教師を交代させる。
2、児童の力を信頼し、時間をかけて改善を待つ。
3、チームティーチングなどの協力的指導体制を導入する。
4、校長のリードにより、学校独自の方策で解決に取り組む。
5、A の保護者に対し、家庭で厳しくしつけるよう依頼する。

引用:公認心理師試験 午後問題

考察

なかなか面白い問題でしたね。このようなクラスにTAとして入ることは少なくありません。TA論に関してはかなり研究していますので、またどこか別の機会にお話しできたらと思っています。

今回は、担任一人では授業の構造が保てなくなってしまったパターンですね。中学や高校であれば、教科担任制なので致命的なダメージにはなりにくいですが、小学校の場合はほとんどの授業を担任が持たないといけないため、危機的な事態になりやすいです。このようなときはTAを配置したりTTにしたりすることは一般的ですので3が解答であることはすぐにわかりました。他の選択肢も突っ込みどころが満載なので消去法でも選択できたと思います。不正解の解答に突っ込みを入れていきたいと思います。

1、担任教師を交代させる。
学級運営がうまくいかなかったからといって、担任を交代させられたらひとたまりもありません。教員の自尊心にもかかわってきますし保護者や生徒への説明も困難を極めます。学期の途中で担任が変わるとすれば、病気か退職でしょうか。

2、児童の力を信頼し、時間をかけて改善を待つ。
自己実現傾向を誤って解釈するとこのような対応を選択してしまうのかなと思いました。PCAではクライアントには自己実現傾向が備わっており、それが十分に発揮されれば不適応は軽減していくとされています。ただ、ほっといても自己実現傾向は発揮されないんですよ。むしろ、ほっといて発揮されないから不適応になっていくわけです。だからこそ、介入が必要になってくるんですね。

4、校長のリードにより、学校独自の方策で解決に取り組む。
このような状況が解決するような学校独自の方策があればとっくに一般化されています。そもそも学校独自の方策が具体的に上がっていないのに選択はできないですね。

5、A の保護者に対し、家庭で厳しくしつけるよう依頼する。
保護者が問題意識を感じていなかったらどうするのでしょう。こんなことを言われたら「家庭が悪い」と言われているようですね。逆に反発が予想されるのではないでしょうか。

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