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午後 問143

5歳の男児。父母からの身体的虐待とネグレクトを理由に、1週間前に児童養護施設に入所した。入所直後から誰彼構わず近寄り、関わりを求めるが、関わりを継続できない。警戒的で落ち着かず、他児からのささいなからかいに怒ると鎮めることが難しく、他児とのトラブルを繰り返している。着替え、歯磨き、洗面などの習慣が身についていない。眠りが浅く、夜驚がみられる。このときの施設の公認心理師が最初に行う支援として、最も適切なものをつ選べ。

1、眠りが浅いため、医師に薬の処方を依頼する。
2、心的外傷を抱えているため、治療として曝露療法を開始する。
3、気持ちを自由に表現できるよう、プレイルームでプレイセラピーを開始する。
4、趣味や嗜好を取り入れて、安心して暮らせる生活環境を施設の養育者と一緒に整える。
5、年齢相応の基本的な生活習慣が身につくよう、施設の養育者と一緒にソーシャルスキルトレーニング(SST)を開始する。

引用:公認心理師試験 午後問題

考察

岩国の間違えた問題です。注意して考察を読んでください。

かなり典型的な虐待事例ですね。一時保護からの児童養護施設といったところでしょうか。きっと、彼の世界はこの数カ月で劇的に変わり、その変化に対しても強い不安があることが予想されます。虐待の度合いにもよりますが、おそらくは父母のもとで養育されることはないか、そうなるには短くない時間がかかるような印象があります。そうなると、やはりこの児童養護施設が生活の場として安心・安全に暮らせる場所になっていけることが求められますね。

そんなわけで、答えは4なのですが、問題を解いているときは「これはもうプレイしかないだろう!」という謎の自信で3に〇をつけました。

間違えるときというのは、問題をよく吟味しないで条件反射的に丸を付けていることが多いですね。もちろん、この事例でもどこかでプレイを持つ必要はあると思いますが、入所1週間でいきなり行うことが「最も適切」なのかと、問われるとそれは違う気がします。

まずは、混乱の中にいるこの子に安心してもらい、生活の基盤を作っていくことが最初です。それなしに、どのような心理療法も行えないでしょう。

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