こんにちは、岩国怜(@iwakunily)です。

臨床心理士や公認心理師になりたい方、これから心理学を学んでみようと思う人に有益な情報を発信出来たらと思い、本ページを作りました。
きっと、心理職になりたいなあと思っている方もいらっしゃると思います。

これまでに、「心理職って実際に食っていけるの?」という観点から記事を書いてみたり、「心理職って具体的にどんなことやってるのよ?」という観点から記事を書いてみました。えらく現実的な話ばかりをしてしまって、肝心の魅力を伝え忘れているのではないかと思い、本記事を執筆してみようと思いました。

「心理職やってて、こんなことが良かったなー」とか
「これがあるからやめられんなー」と思うことを紹介できたらなと思っています。事例も扱いますが、これは岩国の経験した事例の要素だけを取り出して、一から作ったフィクションの事例です。ご承知おきください。

簡単に自己紹介

今でこそ、学校関係の常勤のお仕事に就くことができましたが、そこに来るまでは非常勤をいくつも掛け持ちしていました。
児童福祉施設の心理職、精神科児童思春期病棟の心理職、家出少年少女を支援する非営利団体など今考えると色々なことをやってきたなぁと思います。
御覧の通り、キャリアのほとんどが児童思春期関係です。別に、この分野にこだわっていたわけではないのですが、一度そこでキャリアを作ってしまうとずるずると抜け出せなくなるというのはあります。
中にはほとんどお金にならないような仕事をしたこともあります。それでも、続けてこれたのはやはり、この仕事がとても魅力的でとても面白いものだからです。
昔は、「働きたくないなあ、宝くじでもあたらないかな」と思っていたことがありますが、今はきっと宝くじが当たっても仕事をすることでしょう。(日数は減らすかもしれませんが)

魅力その1、カウンセリングを行えるということ

カウンセリングは、カウンセラーとクライエントという非常に特殊な人間関係の中で行われます。友人同士でもなく、医師と患者でもなく、家族でもなく、カウンセラーとクライエントという言葉でしか表現できない関係なのです。一緒に飲みに行くこともありませんし、遊ぶことも、仕事をすることもありません。週に一回、カウンセリングルームであって、一時間話をして帰るという関係です。これを非常に長い期間続けていきます。もちろん、最初から回数を決めて行う心理療法もあります。
何度もこんなことを繰り返していると、言葉で表すのが非常に難しい何とも言えない気持ちになってくることがあります。その関係の中で、クライエントさんの苦悩や葛藤、困難そらからもちろん喜びも一緒に考えることができます。この特殊な人間関係の中で、いろいろなことを考えられるというのは私にとってはとても面白いことでした。もちろん苦しい時は沢山ありますが、それでもやっていきたいなと思えるものです。このカウンセリングを行うことができるというのは魅力の一つでしょう。

魅力その2、変化を目の当たりにする

あるケースを持っていた時のことです。15歳の男の子で、中学校3年生でした。学校にはしばらく行っておらず、夜の街に繰り出して遊んでいるような子でした。お金は、自らの身体を売って手に入れ、家にもずっと帰らず親もそれを大して気にしないという状況です。薬物などの使用歴もあり、なかなかハードな生活を送っている最中に一時保護になり、その後紆余曲折を経て私が面接を持つことになりました。社交的でしたが、とても反抗的で何度も傷つけられました。今でも、覚えているのは、最初の面接のときに「お前がこんなくだらない、何の意味もないことをしている時間に俺だったら10万は稼いでくるよ」というセリフでした。序盤のセッションは、ずっと攻撃性を向けられたいたような気がします。遅刻をすることはありましたが、彼は基本的に毎回やってきました。なのでこちらも色々な想いはありながら、彼との面接を続けていくことになるのです。

そのうち、割とざっくばらんに話せるようにもなり、彼もかなり不安定でしたが(攻撃したりなついたり)少しは信頼してくれたかなと思うようになりました。それが続いたある日、「いや、俺もこんなことしててもしょうがないと思っている」と何気なく話すのです。「じゃあどうしたいのよ」と何かを考えるわけでもなく問いかけると、「高校に行く、部活やりてぇ」と何気なく答えます。
「ああ、こういう言葉出てくるんだな」ととても感動したのを覚えています。少し目が潤んだの覚えています。もちろん、それを面接の中で扱っていくことになるので、彼はそこから勉強を始めて全日制高校に無事入学してバスケ部に入るのでした。

人はやっぱり変わっていくんだなと、胸を撃たれました。こんな変化に出会えるのが心理職という仕事かもしれません。

魅力その3、世の中の見え方が変わる

私は、ずっと怖い人が苦手でした。できるならばかかわりたくないと思っていました。
今考えると、以前は障害を持っている方や、生活に困窮していた方に偏見があったようにも思います。

それが心理を学ぶと世界を違った角度から見えることに気が付きました。
例えば、学歴の問題。勉強ができない人は努力が足りないのだと思っていたことがあります。
しかし、偏差値というのは正規分布に従うので実はいくら頑張ったところで、みな有名大学に入れるわけではありません。偏差値は50を平均とした標準偏差10の分布ですので、偏差値60以上の人というのは全体の17%くらいになります。一方で、知能指数ということも学びます。デリケートな話なのであまり深くは踏み込みませんが、知能指数も正規分布に従います。

かなり話を省きますが、有名大学に入れなかったり、学力が追い付かなかったりするのは努力不足ではないんです。(もちろん、努力でどうにかなる水準のこともあります)
だけれども、世の中は生活がしっかりと保障される会社に入れないのは学生の時に勉強しなかった自己責任だといいます。やっぱりこれは何か、社会の方がおかしいのではないかと感じます。そういう意味で社会の見方が変わり、とても面白いというのもメリットの一つでしょう。

自分が心理職になってよかったなと思ったことを書いてみました。皆さんも、「こんなことが良かった!」や「こんなことに期待している」というのがあれば是非教えてください。