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午前 問74

75 歳の女性 A、独身の息子と二人暮らしである。A は2年くらい前からスーパーで連日同じ食材を重ねて買うようになり、スーパーからの帰り道で道に迷うなどの行動が見られ始めた。午前中から散歩に出たまま夕方まで帰らないこともあった。最近、息子の怒鳴り声が聞こえるようになり、時々 A の顔にあざが見られるようになったため、近所の人が心配して、市の相談センターに相談した。

市の対応として、不適切なものを1つ選べ。
1、虐待担当部署への通報
2、息子への指導及び助言
3、Aの居室の施錠の提案
4、徘徊時に備えた事前登録制度の利用
5、民生委員への情報提供と支援の依頼

引用:公認心理師試験 午前問題

考察

状況的にAさんはかなり、認知症の疑いが強いです。また高齢者虐待も疑われますので、通報も視野に入れながら支援をしていきたいところです。現実的には、地域包括支援センターなどを通して、認知症初期集中治療チームの介入を考えます。親子二人で、地域とのつながりもなく、息子さんも昼間仕事をしているとなれば非常に困難な家庭であることは想像できますね。この家庭が利用できるリソースを増やしながら、現状を打開していく必要があり舞う。その観点からも、3以外はすべて適当な行動であるといえます

この問題は、日常的に介護にかかわっている方ほどもしかしたら間違えてしまった問題かもしれません。介護現場だと事業所によっては、部屋の施錠が日常的に行われているところがあります。部屋の施錠は身体の自由の拘束ですので、人権を制限していることになります。なので、本来であればかなり慎重に行われなければならないものです。身体の自由を拘束するときは、ほかに代わる手段がなく、一時的で、状況が切迫してないといけません。虐待の可能性があるので、状況が切迫している可能性はありますが、Aさんを保護するなど、別の方法も考えることができます。そもそも、暴力をふるっている可能性がある息子に、施錠することを提案したら虐待がエスカレートしてしまうことも当然考えられます。その観点からも適当ではないといえるでしょう。

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