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午前 問72

35 歳の男性 A、営業職。1か月ほど前に、直属の上司 B からそろそろ課長に昇進させると言われ、A は喜んだ。昇進の準備として部署の中期目標を作成するように指示されたが、いざ書こうとすると何も書けず、不安になり他の仕事も手につかなくなった。A の様子を見かねたBの勧めで、社内の相談室に来室した。「中期目標はどう書けばいいか分からない。こんな状態で課長になる自信がない」と訴える。A の許可を得て B に話を聞くと、A の営業成績は優秀で、部下の面倒見もよく、B としても会社としても、課長に昇進することを期待しているとのことだった。
相談室の公認心理師の対応として、最も適切なものをつ選べ。

1、 A に中期目標をどのように書くべきか助言する。
2、現在 A は抑うつ状態であるため、まず精神科への受診を勧める。
3、昇進はチャンスと捉えられるため、目前の中期目標の作成に全力を尽くすよう励ます。
4、目前の課題に固着するのではなく、キャリア全体から現在の課題を眺めることを支援する。
5、現在の A には中期目標の作成は過重な負荷であるため、担当を外してもらうよう助言する。

引用:公認心理師試験 午前問題

考察

院生の時に、担当の教員に「君たちストレスフルな出来事というのはネガティブな出来事ばかりだと思ってないかい?」と言われたのを思い出しました。
ポジティブな出来事もストレスフルなライフイベントに分類されているものもあります。昇進も、当然本人にとってストレスのかかる出来事でしょう。ストレスフルな出来事の後に、今までであればできていたであろうことができなくなったり、自分を責めたりする様子を見ると少しリスクを感じてしまいますね。医療的ケアを視野に入れた支援が求められる状況だと事例を読んだときに感じました。

年齢も35歳と課長になるにはかなり若い年齢です。会社の風土にもよりますが、かなり大抜擢であることも予想されます。
おそらく会社にとっても彼を課長にするというのは、大きな決断なのでしょう。本人もそれはよく分かっているからこそ、大きなストレスになったとも考えられます。
もちろん、いつかは拒否するか受けるかどちらかのことをしなければなりません。それは本人が結論を出さなければいけない問題です。

実はこの事例は、中長期目標をどう書くかという細かい問題ではなく、会社という組織での労働者としての生き方の問題でもあります。そう考えると、2か4に絞られます。あとは、どちらがより適切なのかという話になります。うつ病のリスクは大いにありますが、ストレスフルな出来事を体験した直後ということもあり、今すぐに医療機関なのかどうかというところは、少し疑問に残ります。産業医面接は必要かと思いますが……
そのような迷いもあったので、岩国としては4を選択しました。

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