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それではさっそく事例を見ていきましょう。

午前 問68

*赤色の選択肢が正答です。

12 歳の男子 A、小学6年生。A は授業中ぼんやりしていることが 多く、学習に対して意欲的な様子を見せない。指示をしない限り板書をノートに写すことはせず、学習全般に対して受動的である。常に学習内容の理解は不十分で、テストの点数も低い。一方、教師に対して反抗的な態度を示すことはなく、授業中に落ち着かなかったり立ち歩いたりという不適切な行動も見られない。クラスメイトとの人間関係にも問題があるとは思えず、休み時間などは楽しそうに過ごしている。知能指数は標準的で、言葉の遅れもなく、コミュニケーションにも支障はない。また、読み書きや計算の能力にも問題はない。A の状態として最も適切なものをつ選べ。

1、学業不振
2、学習障害
3、発達障害
4、学級不適応
5、モラトリアム
引用:公認心理師試験 午前問題

考察

おそらく本試験で一番有名な問題なのではないでしょうか。ツイッターでも試験後話題になっていました。個人的にはあまり適切な問題ではなかったと感じています。

5番のモラトリアムに関しては、発達段階的には勤勉性が課題になってくると思います。そういう要因もあり、モラトリアムという言葉なんとなく違和感がありますね。そんな理由から除外しました。

1から4なのですが、与えられている情報から2,4は除外できます。一つ勘案する要因があるとすればADD(注意欠如障害)かなという印象です。実際に私もADDはあり得るかなという考えを持ったのをよく覚えています。ただ、どんなに粘ってもそこから二つに絞れませんでした。迷った挙句に3に〇をつけた気がしますが、今でもあまり納得はいっていません。知能指数で除外できるかとも考えましたが、コミュニケーションが上手くできている等の様子から、理解等の下位検査が高めに出るのであればIQとしては平均的な値が出る可能性もあります。障害に起因するものと、起因しないものがあれば、起因するものを念頭にさらにアセスメントを進める必要があります。

おそらくは、「なんでも発達障害っていえばいいってもんじゃないぞ」という出題者の意図が見え隠れしますが、そのような出題をしたいならせめて知能検査のプロフィールは載せてほしいかなと感じます。個人的には不適切問題と言わざるを得ないと思いますが、皆さんはいかがでしょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。ツイッターでもブログでも感想やご意見を聞かせていただければと思います。